テーマ:民俗学

能登真脇のこと <その6>

 ここまで書いて来て思い出すことがある。歌人斎藤茂吉が柿本人麿の終焉の地を数年かけて探索した話である。その際茂吉が頼ったものは和歌三首であった。人麿が臨終の時に詠んだ一首とその妻が夫の死に接し詠んだ二首である。茂吉はこの歌の解釈を元に遂に湯抱(ゆがかい)の鴨山にたどり着いた。導いたのは歌人としての勘である。同じ歌人として時空を超え人麿夫…
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『土佐源氏』考  〈その六・完結〉

 確かに柳田には民俗学の確立という大目標があり、方法論を確立する上での焦りがあったかもしれない。雑誌『民間伝承』発刊を契機として民俗学研究者が全国的に広がりはじめた昭和十年頃、柳田は地方の民俗学愛好者(フォークロアー)が土地の民俗調査時に便利な分類法を考案し全国展開を図ったことがある。これは全国に根付きつつあったフォークロアーたちの組織…
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『土佐源氏』考〈その四〉

 前掲『土佐源氏』考〈その二〉で紹介した網野の文章で、私は以下の部分に驚いたことを述べた。  「少なくとも江戸時代以降の日本の社会では男性がすべての権利を独占しており、女性は男性の意思のもとに完全に屈従させられていたとこれまでは考えられてきました。しかしこれはおそらく明治以後の法制がつくりだした虚像であり、社会の実態はかなり違っ…
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『土佐源氏』考〈その二〉

 『土佐源氏』を読んだ衝撃で『土佐源氏』に関する書評を読むことにした。幾つかの書評から興味本位と思われるものを除き、佐野眞一氏の『旅する巨人』(文芸春秋社)と網野善彦の『『忘れられた日本人』を読む』(岩波書店)の二冊を選び読んでみた。宮本常一研究の第一人者でもあるノンフィクション作家佐野氏の著書からは、人間宮本の全貌と綿密な調査による『…
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『土佐源氏』考〈その一〉

 昨年(2014)十月、神保町で句会があり、三省堂の古書コーナーで古書を数冊買った。その中に宮本常一の『忘れられた日本人』があった。暫く書架に積んで置いたが先日取り出して読んでみた。宮本常一の本は以前に『民俗学の旅』など数冊読んでいたが、読んでみて少々驚いた。既読の『民俗学の旅』などは「地を這う民俗学者」宮本常一らしい読み応えのある作品…
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